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Web マガジン「まごのて通信」第 1 号
遊休資産で始めるシステム化

2009.3.18 (水)

ちっちゃくっても、システム!

皆さん、はじめまして。「まごのてシステム」の春原(すのはら)です。この Web マガジン「まごのて通信」では、中小企業や個人事業主の皆さんを対象に、IT システムに関するいろいろなお話をお届けしてゆきます。貴社の業務改善について、何かヒントとなれば幸いです。

さて、皆さんは「システム」という言葉からどんなものを連想しますか? ひとくちに「システム」と言っても、さまざまな規模のものがあります。東京証券取引所を支える裏方システム、銀行の電算機室で莫大な金額を取り扱うシステム、日本の国民の年金を管理するシステム……。「システム」という言葉からは、このような大規模なものを想像する方が多いのではないでしょうか。そして、自社には関係のないものであると、何となく考えてはいませんか。

しかし、大型計算機をネットワークで繋いだものだけがシステムではありません。型落ちのパソコン 1 台でも、業務の効率化に寄与すれば、それは立派なシステムです。

今回は、古いパソコン 1 台で稼動するシステムを導入して業務の効率化を図った、ある町工場のお話をご紹介しましょう。

Excel で部品の管理をしていた日々

Excel シートで在庫・納品管理

埼玉県にある K 社は、自動車の部品を製造する小さな町工場です。

部品の製造・納品記録を、以前は Excel で管理していました。月末になると、日々入力した数値を部品ごとに手で集計し、A4 の用紙にうまく収まるようにこれまた手作業でセルをコピー・ペーストして印刷。そしてそのファイルを別名で保存し、数字をすべてクリアして月末の数字を月初に移動して翌月分の集計表にする──。「ウチもそんな感じでやってる」という声が聞こえて来そうですね。

一覧表としては別に悪いやり方ではありませんが、この方法だと日別の納入実績が分かりにくく、当日時点での売上が把握できません。それに何より、毎日行う業務なのにとても入力が面倒です(部品をいちいち目で探さないといけない)。もちろん、「月次処理」もとてもおっくうでした。

そこで、部品マスタの管理と納入実績の入力・集計に特化した小さなシステムを作ることにしました。社員の方の IT スキルがあまり高くないということもあり、できるだけ簡単に使えるように機能を必要最小限に絞り込んだ上での開発でした。

機能はたった 3 つの小粒システム、その実力は?

このシステムは、当初 3 機能しか実装されませんでした。まず、部品マスタの管理機能は、部品名と単価を管理するだけの簡単な画面です。

部品マスタ管理画面

納入実績の管理画面は、部品を一覧から選択し、指示月日・数量・発行番号と、あれば備考を入力するだけです。現場の方から「部品番号と指示月日は上の行と同じものが規定で選ばれていると入力の手間が省けてありがたい」とのご意見をいただき、初期値はひとつ上の行から持ってくるようにしました。

納入実績入力画面 部品番号入力

印刷ボタンを押すと、その日の納入明細書が印刷されます。

最後に、月単位の集計機能です。月を指定して印刷ボタンを押すと、その月の集計結果が印刷されます。

月次集計

以上が、このシステムの全機能です。IT を存分に活用している方は「たったのこれだけ?」と拍子抜けするかもしれませんが、自社専用システムを初めて導入する K 社にとっては、これが適正規模のシステムでした。Excel に比べて入力もはるかに容易で、集計もボタンひとつ。簡単に使えること、そして簡単だから継続して使ってみようという気にさせることが、システムの大切な条件ではないかと思うのです。

Windows 98 パソコンが大活躍

もうひとつ特筆すべき点は、このシステムが去年まで Windows 98 で動いていたということです。インターネットをフル活用するような業種ではないので、K 社のパソコンは Excel を使う程度でした。そのため、K 社には Windows 98 の古いパソコンが 1 台と、それに直結された複合機があるだけ。そんな環境でも、IT による業務改善は十分に可能なのです。

Windows 98 で稼動する本システム

このシステムは機能を絞り込んでリリースしたため、開発費用もとても安く、追加のハードウェア購入は派生しませんでした。結果として、費用対効果の高いシステムになりました。

皆さんの会社にも、Windows 98 や 2000 が入ったパソコンが遊んでいませんか? もしかしたら、そのパソコンは貴社の業務の効率改善をもたらす魔法の機械になるかもしれませんね。

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